モチベーションの理論
“モチベーション”について語られるときによく、2つの理論が引き合いに出されることがあります。
その1つは人間の欲求というものを5段階に分類して分析し、「低い欲求が満たされることによって初めてより高い欲求が生じてくる」というもので、この視点からも私たちは、“モチベーション”に関して多くのことを学ぶことができます。
それによると第1段階目の欲求は、食欲、性欲、睡眠欲といった“生理的欲求”です。もっとも基本的
なこの欲求が満たされないことには、次のレベルの欲求も起こってきません。
「腹が減っては戦は・・・・・・」などという昔からのことわざがありますが、ほんとに、お腹がすいていたら何をするにしても闘志など湧いてきませんよね。
戦といえば伯父が戦争からだ験者で、しかも太平洋戦争中の日米激戦の地とも言われるガタルカナル島で陸軍の兵士として戦った人ということで、小さい頃から私はよく遊びに行っては彼から戦争の話を聞いていました。
日本にいて爆撃を受けたりした人たちとは少し違って、彼らには「自分は第一線で活躍したヒーローの一人である」という意識が強いために、その話もジメジメしたものではなく戦争自体は悲しいことなのに彼の脚色された話は聞いていてむしろ楽しいほどでした。
「テレビや映画であるように、家族のことを思い出して悲しくなったりしたことがあった?」という質問に対して「それよりも、眠りたい、何か食べたい」という気持ちばかりで、家族のことを思って悲しむゆとりなどなかったというのを聞いてなぜかホッとしたのを覚えています。
話は戻って、人間の第2段階目の欲求は“安全の欲求”で、安全な状況を求めたり不確実な状況を回避しようとする欲求です。
人間の第3段階目の欲求は、“親和の欲求”です。
これは“所属”や“愛情の欲求”、“社会的な欲求”とも言われ、集団への所属を求めたり、友情や愛情を求める欲求のことを言います。
人間の第4段階目の欲求は、“自我の欲求”です。
これは自己尊厳を求める欲求で他人から尊敬されたり、社会的な地位を求めたり、自立、独立したいと思ったりする欲求のことを言います。
人間の欲求の頂点である第5段階目の欲求は、自己の成長や発展の機会を求める“自己実現の欲求”です。
これは他の4つの欲求とは違って次から次へと求めるレベルは高くなるのですが、満たされるということがありません。
この“段階説”から分かるのは低い欲求が満たされることによって初めてより高い欲求が生じてくるというものですが、ここで重要なのは“すでに満たされた欲求は動機付けにはならない”という点です。
例えば第3段階目の “親和の欲求”は1段階目の “生理的欲求”と第2段階目の “安全の欲求”が満たされた人にとっては“モチベーション”を高めて行動を起こすための動機付けになりますが、第4段階目の “自我の欲求”や第5段階目の “自己実現の欲求”を目指す人にとっては動機付けにはなりにくいのです。
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